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  • 議事録:講習会2「FDAのHACCP及び総合衛生管理製造過程(通称マル総)
    の最新動向について」


    FDAのHACCP及び総合衛生管理製造過程(通称マル総)の最新動向について

    1.期日:平成16年7月8日(木)15:40〜16:30

    2.会場:財団法人日本冷凍食品検査協会 4F 会議室

    3.講師:厚生労働省食品安全部監視安全課 水産安全係長 今川正紀 様

    4.内容:
    (1)対米及び対EU輸出水産食品に係る最近の問題について
     1.「無病証明」に関して
    現在、EU向輸出水産食品についての日本からの輸出国の衛生証明書(EU指令「Council Directive 91/492/EEC」及び「Council Directive 91/493/EEC」に基づくもの)は各都道府県衛生部局より発行されている。厚生労働省は、2004年5月7日に、養殖魚由来の水産食品に関しては、従来の衛生証明書に加えて無病証明(「Council Decision 2003/858/EC」に基づくもの)が2004年5月1日より必要である、との情報を得た。
    その後の調査により以下の状況が明らかになった。

     1)全加盟国が要求しているわけではない。(EC指令のうち「Decision」は特定の対象にのみ拘束力をもつ…詳細は不明であるが、スペインでは貨物が止められたが、デンマーク、ドイツでは通関しており、オランダ、スウェーデンも通関の見通しがある。)
     2)今回の無病証明は、養殖魚由来のものに関して要求されている。(二枚貝、軟体動物に関しては別の指令によって規定されているため、対象外。)
    これらの調査結果より、厚生労働省では現在以下の対応を講じている。
     3)「無病である」ことの証明方法について、現在、欧州委員会に対して我が国農林水産省及び水産庁が確認中である。
         
     2.「魚油」に関して
     1)米国に輸出した魚油に関して、米国農務省(USDA)より、「BSEに関する質問票に対する規制当局者による回答が必要である。」という理由で通関できない事例があった。これに対して魚油を取り扱っている当該施設を管轄する保健所担当官が記載を行った。
     2)英国に輸出した魚油について、英国当局で「2002/349/ECに関連する97/78/EC(獣医衛生の関連)の証明書がない」という理由で通関できない事例があった。現在、当該貨物輸出業者が、英国当局に貨物を突然止めた理由、今後どのような証明をつければ問題ないのか、等について確認中である。
    ただし、97/78/EC Article7に「獣医衛生により要求される何らかの証明書(・・・the original veterinary certificates or original veterinary documents or  other original documents as required by veterinary legislation.)」という記述があることと、Article19に「Directive91/493/EECの担当官がいれば97/78/ECの担当官を新たにおかなくてよい」という記述があることから、おそらくDirective91/493/EECに対応する都道府県発行の証明書で通関が担保されているもの、と推察する。
    *魚油以外の水産品でも、通関が拒否されることがあった場合には、厚生労働省まで情報提供をお願いします。



    (2)「佐賀・嬉野温泉ふぐ肝特区」について
     1.「ふぐ肝特区」とは                     
     元長崎大学野口教授らの「独自の養殖法で養殖されたトラフグは無毒である」という研究成果を踏まえて、佐賀県及び佐賀県嬉野町が、現在食品としての使用が禁じられている「フグ肝(肝臓)」の可食化を実現することにより嬉野温泉の知名度向上及び宿泊客の増加を図ることを目的に「佐賀・嬉野温泉ふぐ肝特区」として内閣府に提出したところである。
     2.厚生労働省の見解
    厚生労働省では以下の実験データを確認している(一例)。
     1)囲い込みの養殖方法(人工の餌で養殖する)で養殖したフグ約5千匹を検査した結果肝はすべて無毒だった。       
     2)ろ過しない海水を用いてフグを養殖した場合フグは毒化し、ろ過した海水を用いて養殖した場合は毒化しない。

    ただし、以下の事項を鑑み、現時点では厚生労働省としては特区を認めにくい、という見解である。  
     1)フグの毒は非常に強い。
     2)毒化機構のすべてが解明されているわけではない。
     3)フグは一度毒化すると毒を蓄積してしまう。
     4)特区を認めると将来的に無毒化ふぐの肝食が全国に広がってしまう。
     5)特区を認めると対外国的に「無毒フグ」を認めざるをえなくなってしまう。
     (ただし、4)及び5)については、特区区域内自体に問題があるわけではなく、厚生労働省としての懸念である。)


    以上
    作成 事務局
                                        
対米・対EU輸出水産食品HACCP認定施設協議会